一般浄化槽(ばっ気式)の概略図
一般の浄化槽は様々な処理方式が存在しますが、概ね嫌気槽に相当する1次処理部分とばっ気槽の2次処理部分に分けられます。
一次処理は汚泥などの固形物の分離と貯留、嫌気性微生物による有機物の分解を担っており、2次処理はばっ気により好気的条件が維持された環境で微生物の働きにより汚水を処理します。
ばっ気槽の仕様は主に「活性汚泥処理方式」、固定ろ材に微生物を保持させる「生物膜法」、「担体流動生物濾過」方式などに分類されます。
ブロアー(送風機)により送り込んだ大量の空気は汚水と接触し、マンホールの隙間などから発生するので(排気口を設けない場合)臭気の発生が懸念されます。
ソフィール(土壌微生物膜合併処理浄化槽)
の概略図
ソフィール(土壌微生物膜合併処理浄化槽)は、一次処理部に相当する一次処理槽と2次処理部に相当する土壌浸潤槽で構成されています。
1次処理槽は固液分離槽で汚泥などの固形物を分離、貯留し、嫌気ろ床槽で浮遊物の除去、嫌気性微生物による有機物の分解を行います。
土壌浸潤槽では汚水を土壌中に拡散、浸潤させ、汚水が土壌中に浸潤・濾過される過程において汚水を処理するプロセスです。
土壌に送る空気は圧力を必要としないので、小さな送風機で微弱な風を送り込んでいます。また臭気などは土壌に吸着されるので、臭気の発生はほとんどありません。
一般浄化槽とソフィールとの違いをまとめると下記の表のようになります。ソフィールは環境性能が高く、維持管理性に優れている事が分かりますが、敷地面積が大きいことが少々デメリットです。
処理システムの特性として都市部など設置場所の確保が困難な条件では膜分離活性汚泥処理方式のようなコンパクトな処理方式に利点がありますが、消費電力や、維持管理のコストが増大します。
一方、公園や観光地のように比較的敷地面積の制約が少ない条件では消費電力が少なく、維持管理費が安いソフィールを適用するほうがメリットが大きいと言えます。