[システムに関するQ&A]
桜のシーズン
通常時(閑散期)
<なぜ負荷変動が問題なのか?>
一般の浄化槽は住宅などの生活排水を処理する事を主目的として開発されており、極端に汚水量が変動する上記のような施設(観光地)などの場合、季節変動や週間変動が浄化槽の処理に悪影響を及ぼす事が懸念されます。
右図(一般浄化槽(曝気式)のイメージ図)に示すように、生活排水などの汚れを浄化するのは浄化槽の中で働いている微生物です。
浄化槽の微生物は生活排水などのエサが安定供給されていれば、勝手に増殖し、浄化槽の機能を発揮するようになりますが、栄養源である汚水の供給が断たれてしまうと微生物は増殖するエネルギーを失います。浄化に最も寄与している細菌が増殖できないと、生態系上位の原生動物などに働き者である細菌は食べれてしまい、浄化能力が低下する原因となります。
負荷変動により浄化槽の機能が低下すると、臭いの発生や処理水質の劣化などが懸念されます。
かといって、維持管理上で機能を維持するのは難しいのが現状で、栄養源を投入する等の対策は一時しのぎにしかならないことが多いようです。
土壌微生物は自然環境に耐える力を持っています。
土壌微生物は、一般の浄化槽のように水の中に済んでいる微生物と違い、エサが無いからといって移動するなどの手段を取る事が出来ません。よってエサが無くても、土壌が乾燥していても、温度が高くても低くてもある程度自然条件に追従し、生き延びなければなりません。
そのための手段として、土壌微生物はエサがない状態でも活動レベルを落として、休眠(休止)状態、飢餓状態で生存することができます。
◇土壌に保持できる微生物の多さ
一般の浄化槽は使用開始時に微生物が全くいない状態であるのに対し、ソフィールが使用している土壌には多数の微生物が既に生息しているので、使用開始とともに高度な処理性能を発揮します。土壌中に生息する多種多様な細菌は土壌の団粒構造の中で共存しながら生存しています。土壌中に形成された団粒構造は細菌が生息するのに適した小さな隙間を無数に持っており、細菌が安心して暮らせる「すみか」を提供しています。団粒構造の表層には比較的好気的な細菌が、内部に行くほど嫌気性の細菌が生息していると考えられています。
一般の浄化槽ではエサ不足の状態に陥ると生態系上位の原生動物が細菌を食べ尽くして浄化機能を低下させますが、団粒構造を持った土壌の中では、原生動物のような大きな微生物は団粒構造の隙間に入れないので、負荷変動による浄化能力の低下は発生しません。
[システムの施工・維持管理に関するQ&A]